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慶應義塾大学医学部臓器再生医学寄附講座
小林英司研究室
 
  










共に研究した仲間たちHEADLINE

   
これまで小林と共に研究した先生方の多くが、様々な分野でトップとなり現在も活躍されております。     ここでは、現在教授となられている一部の方をご紹介いたします。また、次世代を担う先生方へ頂戴したメッセージも紹介いたします。

自治医科大学医学部 外科学講座心臓血管外科部門 川人宏次 教授
 最初の共著論文:
Kawahito K, Kobayashi E, Misawa Y, Adachi H, Fujimura A, Ino T, Fuse K.: Recovery from lymphocytopenia and prognosis after adult extracorporeal membrane oxygenation. Arch Surg. 1998 Feb;133(2):216-7.
 学位を目指す医師へ一言:
長い臨床医としての人生は、順風満帆の晴れた日ばかりではありません。思うように臨床ができない時、不遇だと思う時、研究は心の支えです。晴れた日には精一杯臨床を頑張り、雨の日には勉強(研究)する。“晴耕雨読”が私の心構えです。

日本医科大学 日本獣医生命科学大学 袴田陽二 教授
 最初の共著論文:
Hakamata Y, Tahara K, Uchida H, Sakuma Y, Nakamura M, Kume A, Murakami T, Takahashi M, Takahashi R, Hirabayashi M, Ueda M, Miyoshi I, Kasai N, Kobayashi E.: Green fluorescent protein-transgenic rat: a tool for organ transplantaion research. Biochem Biophys Res Commun. 2001; 286(4):779-785.
 学位を目指す医師へ一言:
私は獣医師として一言申し上げます。医学の発展のため、基礎研究として動物実験が実施され、多くの実績を上げてきました。その証拠に、これまでのノーベル生理学・医学賞の7割以上が動物実験を基盤にしたものです。実験動物を用いて学位を目指す先生たちには是非とも高みを目指して頑張って欲しいものです。

自治医科大学 鏡視下手術部 細谷好則 教授
 最初の共著論文:
Hosoya Y, Kitoh Y, Kobayashi E, Okabe R, Fujimura A, Kanazawa K.: Combination effects of tamoxifen plus 5-fluorouracil on gastric cancer cell lines in vitro. Cancer Lett. 1999 Jun 1;140(1-2):139-43
 学位を目指す医師へ一言:
学位をとって後悔した医師はいない(と思う)。

自治医科大学 消化器・一般外科 堀江久永 教授
 最初の共著論文:
Horie H, Kanazawa K, Kobayashi E, Okada M, Fujimura A, Yamagiwa S, Abo T.:Effect of intestinal bacteria on the development of colonic neoplasm II. Changes in the immunological environment. Eur J Cancer Prev. 1999; 8(6):533-537.  
 学位を目指す医師へ一言:
若い時期に一定期間研究に没頭することは論理的にそして柔軟に物事を考えるトレーニングになり非常に貴重な経験であると思います。

筑波大学医学医療系茨城県地域臨床教育センター乳腺甲状腺内分泌外科 穂積康夫 教授
/茨城県立中央病院 参事兼女性腫瘍統括局長 

 最初の共著論文:
Hozumi Y, Kobayashi E, Miyata M, Fujimura A.: Immunotherapy for experimental rat autoimmune thyroiditis using a novel immunosuppressant, FTY720. Life Sci. 1999; 65(17): 1739-1745.  
 学位を目指す医師へ一言:
小林教授と一緒に行った研究生活と留学時代は大切な良い思い出です。基礎研究者でなくても、臨床医としての長い年月の一時期を基礎研究に没頭することは、非常に重要なことであると思います。そのような経験を踏むことで、日常臨床でも常に科学的な考え方を出来るようになったと思います。私は現在自分では基礎研究を行っておりませんが、臨床研究を行う場合にも基礎研究を行っていた時に培った科学的に論理的に考えることは非常に役に立ちました。また、後輩の論文や研究の指導に際しても大半役に立ってます。

自治医科大学 人類遺伝学研究部 岩本禎彦 教授
 最初の共著論文:
Iwamoto S, Kumada M, Kanesaki T, Okuda H, Kajii E, Inagaki T, Saikawa D, Takeuchi K, Ohgawara S, Takahashi R, Ueda S, Inoure S, Tahara K, Hakamata Y, Kobayashi E.: Rat encodes paralogous gene equivalent of human histo-blood group ABO gene: association with antigen expression by overexpression of Human ABO transferase. J Biol Chem. 2002; 277(48):46463-46469.
 学位を目指す医師へ一言:
臨床医としても研究マインドは大切です。実験研究に挑戦し、楽しいと思えたら、その先に自分のキャリア形成のチャンスが広がります(小林教授がそれを実証しています)。

自治医科大学 移植外科 水田耕一 教授
 最初の共著論文:
Mizuta K, Hishikawa S, Yoshida T, Kobayashi E, Uchida H, Fujimura A, Kawaraasaki H, Hashizume K.: Survival of rats undergoing continuous bile drainage dependents upon maintenance of circadian rhythm of bile secretion. Chronobiol Int. 1999; 16(6):759-765.  
 学位を目指す医師へ一言:
研究には、目標に対する「情熱」と、結果に対する「誠実さ」、最後まで実験をやり抜く「粘り強さ」が重要です。そしてそれらはそのまま臨床にもあてはまることです。私も小林先生と時間を共にした大学院時代に、これらの重要性を学びました。臨床と異なり、患者さんからの直接の感謝の言葉がもらえないため、時には心が折れそうになることがありますが、目の前の患者さんのためだけでなく、まだ見ぬ世界中の患者さんのために、志を高く、「情熱」と「粘り強さ」で、最後まで研究をやり遂げて下さい。大学院での研究生活は、医師としてのキャリアだけでなく、人生においても皆さんの財産になります。

埼玉医科大学医学部 微生物学 村上 孝 教授
 最初の共著論文:
Murakami T, Inoue S, Sato Y, Ajiki T, Ohsawa I, Kobayashi E.: Genetic modification in organ transplantation and in vivo luciferase imaging. Progress in Biomedical Optics and Imaging. 2005; 6(19): 169-176.
 学位を目指す医師へ一言:
これから学位取得を目指す若い医師に語ってみたい特別な思いがあります。大学院に所属しながら学位を目指す者、または診療と平行して論文博士を目指す者、それぞれだと思います。自分が納得の行くように自身の姿を選択することは易しくりませんし、まして攻略マニュアルなどもありません。では、どうするか?やはり自分の原点を確認しておくのがいいと思います。どうしてその診療科を選んだのか?その原点の中には鍵があるように思います。それぞれ診療科の背景には特有の疾病論が存在し、それが諸君の興味を引きつける魅力になっているのではないでしょうか。「好きなこと」や「面白いこと」はいくらやっても飽きないものです。義務や理屈では絶対に長続きしません。私は熱意は技術や手法よりも勝ると信じています。自分の原点を確認して、自分の旗を掲げること、これが学位を目指すことに他ならないと思っています。

岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科救急医学分野 中尾篤典 教授
 最初の共著論文:
Nakao A, Mitsuoka N, Shen SD, Tanaka N, Kobayashi E.:Rat small intestinal transplantation: a comparison of the cuff and hand-suture methods. Acta Med Okayama. 2000 Dec;54(6):259-64
 学位を目指す医師へ一言:
臨床医になるのに、研究業績など全く無意味であるという先生の多くおられます。臨床畑で現場でたたき上げた先生がたのほうが患者さんにとってはいいでしょう。研究など馬鹿なことをしている間に、一人の患者さんを救うほうが医師として崇高なのではないでしょうか?小生は今、ほぼ100%臨床医ですが、小林先生に教えていただ いた研究の面白さ、大切さを後輩たちに伝えるのに四苦八苦しています。出世のための研究、義務としての研究、それでも、そこに少しでも面白さ、大切さを感じてくれればもうけものだと思っています。

東京大学 医科学研究所 遺伝子・細胞治療センター 分子遺伝医学分野 岡田尚巳 教授
 最初の共著論文:
Okada T, Uchibori R, Iwata-Okada M, Takahashi M, Nomoto T, Nonaka-Sarukawa M, Ito T, Liu Y, Mizukami H, Kume A, Kobayashi E, Ozawa K.:A histone deacetylase inhibitor enhances recombinant adeno-associated virus-mediated gene expression in tumor cells.Mol Ther. 2006 Apr;13(4):738-46. Epub 2006 Jan 4.
 学位を目指す医師へ一言:
専門領域を幅広く研鑽すると同時に、特定の研究分野では誰にも負けないことを目指してください。公私問わず、これが大きな励みになると思います。

東京医科歯科大学 大学院応用再生医学分野 関矢一郎 教授
/再生医療研究センター長

 最初の共著論文:
Horie M, Sekiya I, Muneta T, Ichinose S, Matsumoto K, Saito H, Murakami T, Kobayashi E.:Intra-articular Injected synovial stem cells differentiate into meniscal cells directly and promote meniscal regeneration without mobilization to distant organs in rat massive meniscal defect.Stem Cells. 2009 Apr;27(4):878-87. doi: 10.1634/stemcells.2008-0616
 学位を目指す医師へ一言:
私は数年前に50歳になりました。これくらいの年になると、社会的な制約で時間をとることが難しくなり、また体力の衰えの始まりから、やりたくてもできないことがたくさん出てきます。いま振り返ってみると、医学部を卒業してから10年くらいはいろいろなことにチャレンジするとても大事な時期であると感じます。この時期に研究に打ち込むことは、君たちに経験してほしいことのひとつです。 医学研究を開始すると、自分なりの発見があります。この発見を世界中の人々に納得させるためには、科学界の型に沿ってデータをまとめる必要があります。この型を身に着けていないと、医師として大事な発見をしても、自分以外を納得させることができず、新発見を埋もれさせてしまうことになります。科学界の型を身に着けることも君たちにとっての重要事項です。 どのような研究をしたいかは最も大事なことですが、それと同等に師匠選びも重要です。知識と経験が豊富で、国内外で活躍した実績があり、人間として尊敬できる師匠を選ばなければなりません。小林英司先生はまさにそのような師匠になりえます。小林英司先生の熱い指導を受けて、充実した研究生活を送ってください。

東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 清水達也 所長・教授
 最初の共著論文:
Shimizu T, Sekine H, Yang J, Isoi Y, Yamato M, Kikuchi A, Kobayashi E, Okano T.: Polysurgery of cell sheet grafts overcomes diffusion limits to produce thick, vascularized myocardial tissues. FASEB J. 2006; 20(6):708-710.
 学位を目指す医師へ一言:
学位をとることは新しいチャレンジをする良い機会だと考えてください。流れにのるのではなく自分がやってみたいこと試してみたいことができる良いチャンスです。また自分の専門領域以外の研究にも興味を向けてみてください。今やひとつの学問領域で解決する問題は少ないと考えてください。私も、小林英司先生をはじめとする専門の異なる医学者や理工薬他分野の多くの研究者と出会うことで研究の課題を克服、また新展開をもたらすことができました。とにかく学位取得は通過点です、自分の夢をしっかり持って、信念をもって突き進んでください。

自治医科大学分子病態治療研究センター 炎症・免疫研究部 高橋将文 教授
 最初の共著論文:
Takahashi M, Nishihira J, Shimpo M, Mizue Y, Ueno S, Mano H, Kobayashi E, Ikeda U, Shimada K.: Macrophage migration inhibitory factor as a redox-sensitive cytokine in cardiac myocytes. Cardiovas Res. 2001; 52(3):438-445.
 学位を目指す医師へ一言:
私が研究を続けている一番の理由は、ただ単純に”面白くて辞められない”からです。学位取得に意味があるかどうかはわかりませんが、皆さんは、これから何十年と臨床をしていくのだろうと思います。これをきっかけにして、数年だけでも”面白くて辞められない研究”を経験してみることは、その後の人生にとって、とてもプラスになると思います。

富山大学大学院医学薬学研究部医療薬学研究室 藤 秀人 教授
 最初の共著論文:
To H, Xiu DR, Hishikawa S, Uchida H, Sudou T, Sunada K, Sugimoto K, HiguchiS, Fujimura A, Kobayashi E.: Dosing time-dependent pharmacological effectsof anti-metabolites for rat cardiac graft. Res Commun Mol Pathol Pharmacol.2001; 110(5-6):319-332.  
 学位を目指す医師へ一言:
私は、薬学の人間ですが、医学も薬学も共通することとしては、治療して病に苦しむ人を救うことだと考えています。ただし、病は、診断に基づき決められた薬を使えば治せるものではなく、試行錯誤をしながら治療していくことが多いと思います。そこで、重要なのは物事をロジカルに考え、治療戦略を立てることですが、これは学部教育ではなかなか培われませんし、日々の臨床活動の経験だけでも難しい点が多いと思います。そのため、私は、研究活動を通した様々な刺激や経験によって、問題解決能力が身につくと考えています。学位取得のための研究期間は、専門性を極めていくには遠回りになるかもしれませんが、広い視野で物事を考えられるようになるには、大事な時間であると思います。

自治医科大学附属さいたま医療センター 副センター長 遠山信幸 教授 
/医療安全・渉外対策部 部長/総合医学講座U(一般・消化器外科)教授

 最初の共著論文:
Toyama N, Kobayashi E, Kamada N, Doy M, Miyata M.: Samll bowel transplantation in rats: Endoscopic and histological evaluation of graft rejection. Gastroenterologia Japonica. 1993; 28(2): 209-217.
 学位を目指す医師へ一言:
「研究生活のススメ」 医師という職業は医師免許がなければなることが出来ません。 そのほとんどの方が臨床医を目指していることでしょう。でも、せっかくの医師人生、多様性を持った医師という職業をもっと楽しんでみてはいかがでしょう。 臨床から離れる不安は少なからずあるかもしれません。山登りもただひたすら山頂に到達することだけが目的ではなく、途中で一休みして周りの景色を見たり、他の登山仲間と話をしたり、楽しみながら時にはゆっくりと道を歩むこともいいのでは?

名古屋大学大学院医学系研究科 小児外科学 内田広夫 教授
 最初の共著論文:
Uchida H, Tanaka H, Kito Y, Yanagisawa K, To H, Tago K, Mizuta K, Fujimura A, Tominaga S, Hashizume K, Kobayashi E.: Mechanisms of Immuromodulation induced by blood transfusion: Identification of Humoral factors. Transplant Proc. 2000; 32(2): 255-256
 学位を目指す医師へ一言:
患者さんを治すために臨床の腕を磨くんだ!これは医者の誰もが持つストレートな気持ちでしょう。ところで研究はどうでしょう?研究が臨床の役に立つ?今までの勉強はどうだったでしょう。実生活に物理学が役に立ちますか?私達の人生は無駄と思えることの連続です。何の目的もないように思われても、作り出すことができるものが単なる点でも、いずれそれらはつながりを持ち、線となり、そして面を作り、立体を作るようになります。自分だけでは点しか作れなくても、仲間が作ってくれた点をだれかが結びつけてくれます。研究とはそのような点を作り出す地道な作業でもあります。しかし仲間がいることですばらしいものになるのです。ですから仲間は大切です。そのような仲間を作り、つなぐのは教育なのではないでしょうか。私達はみんな小林英司先生の下で教わり、別々のことをしながら、別のことを考えながら、それでも最後はそれらが小林先生のもとでつながるのです。それが研究の素晴らしいところです。みんなが、それぞれのところで全力を尽くすことで、大きな形となるでしょう。さあ、信じて、突き進みましょう。真実を求めて。

東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 横尾 隆 主任教授
 最初の共著論文:
Yokoo T, Fukui A, Ohashi T, Miyazaki Y, Utsunomiya Y, Kawamura T, Hosoya T, Okabe M, Kobayashi E.: Xenobiotic kidney organogenesis from human mesenchymal stem cells using a growing rodent embryo. J Am Soc Nephrol. 2006; 17(4):1026-1034.
 学位を目指す医師へ一言:
最近は専門医取得が重視され、医学博士を目指さない若手医師が増えてきました。研修制度の改革とともに専門医取得可能な年齢が高くなり、学位取得のために臨床から離れることで臨床力低下につながることを危惧されていることと思います。しかし一定期間研究に没頭することは、系統的な問題解決能力も養うことができ、そこで芽生えたリサーチマインドは結局臨床力向上につながります。多くの若手医師が専門医も学位も取得してマルチプレーヤーとして医学に貢献する道を選ぶことを大いに期待します。

群馬大学教育学研究科 障害児教育学講座 吉野浩之 教授
 最初の共著論文:
Yoshino H, Hashizume K, Kobayashi E.: Naked plasmid DNA transfer to the porcine liver using rapid injection with large volume. Gene Ther. 2006; 13(24):1696-1702.
 学位を目指す医師へ一言:
あらゆる臨床や研究の機会に、学位研究の時につちかった「研究的な思考」が生きています。分野に関わらず、すべての医師は「研究の機会」を大切にしてください。

東京大学医学部附属病院 小児外科 藤代 準 教授
 最初の共著論文:
Fujishiro J, Tahara K, Inoue S, Kaneko T, Kaneko M, Hashizume K, Kobayashi E.: Immunologic benefits of longer graft in rat allogenic small bowel transplantation. Transplantation. 2005 Jan 27;79(2):190-5.
 学位を目指す医師へ一言:
皆様が医師として診療に携わる際には「患者さんのために」という強い思いで日々全力を尽くしていることと思います。その動機は極めて純粋で、患者さんの回復する姿や患者さんからの感謝により毎日のように満足感・充実感が得られます。 一方で研究の動機は、新たなことを知りたいという知的探求心や、未来の医療・社会に貢献したいという思いです。臨床と異なり目に見える成果・結果が得られることは稀であり、多大な労力が徒労に終わることも少なくありません。そのような苦しい状況の中でも研究を邁進する経験は、研究者としてはもちろんのこと、医師としてまた人間として皆様を成長させます。また、研究活動の中で身に着けた「疑問を持ち、検証する」ことは、臨床の場でも必ず役に立ちます。 研究生活は決して楽ではありませんが、皆様も初心を忘れずに研究に打ち込んでください。

自治医科大学 外科学講座 佐久間康成 教授
 最初の共著論文:
Sakuma Y , Uchida H, Nagai H, Kobayashi E. High-dose tacrolimus and lengthy survival of the combined rat pancreas/spleen graft in a high-responder combination. Transpl Immunol . 2001 Oct;9(1):37-42.
 学位を目指す医師へ一言:
私が小林研究室入ったのは、ちょうど小林先生が研究室を立ち上げたときの一期生でした。今でもあの頃の小林先生の厳しさは決して忘れはしません!ただ一緒に行った東北自動車道の高速道路で事故となり、小林先生と家族への思いや命の大切さを語り合ったことは、佐久間家では今も語り継がれています。最近、関連病院などで、べったり臨床畑で育っていく医師もそれなりに多く見かけます。しかし、基礎的な知識、基礎的な考えなくしては、やはり優れた臨床医にはなれないと痛感することが多いです。ある時期、厳しい研究環境で過ごす経験は、臨床畑でいい医師になれるのは、間違いありません。また困難な症例ほど科学的な考えが必要であり、研究時代の考え方の道筋などがすごく役にたちます。今、教授になり小林先生の厳しさとその裏の愛情がわかり、これからの若い外科医にも迷わず大学院での研究を勧めています!

金沢大学医学部 肝胆膵・移植外科 八木真太郎 教授
 最初の共著論文:
Yagi S, Doorschodt BM, Afify M, Klinge U, Kobayashi E, Uemoto S, Tolba RH. Improved preservation and microcirculation with POLYSOL after partial liver transplantation in rats. J Surg Res. 2011 May 15;167(2):e375-83. doi: 10.1016/j.jss.2010.12.040. Epub 2011 Jan 31.
 学位を目指す医師へ一言:
外科医が若いうちに動物を用いた基礎研究を行うことは非常に意義深いことです。 確立された当たり前の医学知識・手術を学ぶ事は重要で最低限必要なことですが、それ以上に、現在は治療困難である病気に対峙するべく、新しい治療方法を研究を通して模索し、新規技術を革新していくことは、医学そして人類の進歩のためにはとても重要な事です。 若いうちに、研究によって培われる頭脳やマイクロサージャリーをはじめとした技術を磨くことにより、臨床にもフィードバックすることができ、より多くの患者さんを救うことに貢献できると思います。専門医の取得や確立された手術技術のみを修練する小さな外科医を目指すのでなく、世界を変える「わくわく」するような研究にも携わる医学者をも目指して欲しいと願っています。

産業医科大学医学部第二内科学講座(循環器・腎臓内科学講座)片岡雅晴 主任教授
 最初の共著論文:
Tanaka H, Kataoka M, Isobe S, Yamamoto T, Shirakawa K, Endo J, Satoh T, Hakamata Y, Kobayashi E, Sano M, Fukuda K. Therapeutic impact of dietary vitamin D supplementation for preventing right ventricular remodeling and improving survival in pulmonary hypertension. PLoS One. 2017 Jul 7;12(7):e0180615. doi: 10.1371/journal.pone.0180615. eCollection 2017.
 学位を目指す医師へ一言:
昨今、次世代シークエンサー等の技術進歩によって、様々な解析が可能となりました。そこから得られる知見を、基礎実験・動物実験で掘り下げ、病態解明や創薬に繋げることができます。このような研究を通じての医療への貢献は、かけがえのない価値があります。また同時に、研究は、人間力・マネージメント能力を総合的に高める過程でもあります。さらに、研究という同じ苦労を通じて経た人脈や信頼関係はかけがえのない財産となります。多くの若手医師が研究を通じて飛躍されることを期待します。


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